@misc{oai:tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp:00007555, author = {クマカワ, ケント and 隈川, 健斗}, month = {Mar}, note = {近年、ハドロン物理ではチャームクォークやボトムクォークといった重いクォークを含むハドロンが実験的に発見されており、エキゾチックハドロンといった現在のクォーク模型では説明が困難なハドロンも発見されているため、単純なハドロン内部構造を見直す必要がある。内部構造の候補としてマルチクォーク構造やハドロン分子構造等があげられるが、特に、重いクォークを1 つ含むバリオンでは、2 つの軽いクォークがダイクォークとしてふるまい、クォーク・ダイクォークの束縛状態として記述されることが期待されているように、ダイクォークの存在や性質に注目が集まっている。QCDの基本的かつ重要な性質として、QCDにおいてクォークやグルーオンがカラー電荷を持つことがあげられる。カラー電荷はSU(3) の基本表現で表されるが、理解のため光の三原色から“赤色”、“青色”、“緑色”として呼ばれている。しかし、クォークやグルーオンは単体では観測されず、カラー電荷が“白色”の状態のみでしか観測されない。これは、クォークの閉じ込め現象を説明するものである。この“白色”の状態はクォークと反クォークで構成するメソンと、クォーク3 つで構成されるバリオンがあげられる。ダイクォークはバリオン内の2 つのクォークの仮想的な状態で表すことができる複合粒子であり、バリオンをクォーク・ダイクォーク描像で見ることができる。ここでダイクォークのカラー電荷について考えると、バリオン全体で“白色”である必要があり、クォークのカラー電荷は対称である3 であるので、“白色”にするためにはダイクォークのカラー電荷を反対称である[-]3 を取る必要がある。これは、クォーク(3) と反クォーク([-]3) で構成されるメソンのカラー構造と同じである。本研究では、上で記述したカラー近似よりダイクォークを点粒子のように扱うPoint-likemodel と、ダイクォークに量子的な広がりを持たせたSizable model の2 つのモデルを考える。Point-like model ではメソンと同じカラー構造を取ることから、重いクォーコニウムをよく再現するポテンシャルを用いて計算を行う。その際、ポテンシャルパラメータをチャーモニウムの実験値から決め、この値を用いてチャームクォークを1 つ含むバリオンΛc の励起エネルギーを計算する。すると、同じカラー構造で仮定をしているにもかかわらず、Λc 粒子の実験値を再現することはできなかった。Point-like model の改善策として考えたSizable model では、ダイクォークの広がりパラメータβをΛc 粒子の1p 軌道の励起エネルギーを再現するように求めた。このとき、パラメータはβ = 1:0[fm] となり、この結果からダイクォークの平均二乗直径は1:2[fm] 程度という計算結果が得られた。この両模型のパラメータを求めた後、ヘビークォークを1 つ含む他のバリオン(Λch ,Θh,Σh ,Θh′,Ωh) についてダイクォーク質量と励起エネルギーの計算を行い、実験値と比較することを系統的に見た。また、最近発見されたチャームクォークを2 つ持つバリオンΘccについても計算を行い、励起スペクトルの予言を行った。, 首都大学東京, 2019-03-25, 修士(理学)}, title = {ダイクォーク模型における重いバリオンの励起エネルギー及びダイクォークの性質}, year = {2019} }