{"created":"2023-06-19T12:47:11.904514+00:00","id":7553,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"7f666a17-5ceb-49b5-b578-c3a15d0fa7f8"},"_deposit":{"created_by":14,"id":"7553","owners":[14],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"7553"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp:00007553","sets":["465:470:472:856:1652"]},"author_link":["23986","23987"],"item_2_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2019-03-25","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographicPageEnd":"44","bibliographicPageStart":"1","bibliographic_titles":[{}]}]},"item_2_creator_2":{"attribute_name":"著者(ヨミ)","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"クリヤマ, 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以下にない場合は内部エネルギーによらず電子脱離が起こり,ある場合でも内部エネルギーによって電子脱離することが可能であるが,この場合には振動輻射冷却と電子脱離が競合するため電子脱離が遅延して起こる. 本研究では,孤立環境下におかれた多環芳香族炭化水素(Polycyclic AromaticHydrocarbon, PAH)の冷却過程に注目した.多環芳香族炭化水素類は星間分子の有力な候補であり,星間フラーレンの生成など,分子進化において重要な役割を果たしていると考えられている.実験には,典型的なPAH 分子であるテトラセン負イオン(C18H-12)およびペンタセン負イオン(C22H-14)を用いた.Eth は電子親和力と等しく,それぞれの分子の値は1.067 eV と1.392 eV である.また,これに対応する光の波長はそれぞれ1162 nm と891 nm である. 実験装置は,首都大学東京の静電型イオン蓄積リング(TMU E-ring)を用いた.TMU E-ring はレーストラック型のイオン蓄積装置で,装置内部は10-8 Pa 以下の超高真空に保たれており,残留ガスなど粒子との衝突が少ないため秒程度の長時間にわたるイオン蓄積が可能である.レーザーアブレーションイオン源で負イオンを生成し,電場でおよそ15 keV まで加速してTMU E-ring 内に入射した.一定蓄積時間後,赤外波長領域のレーザー光を周回する負イオンに照射し,Eth 以上の内部エネルギー状態に励起されて電子脱離にて生じる中性粒子を,中性粒子検出器(MicroChannel Plate,MCP)により検出した. 両方の負イオンにおいてレーザー誘起中性粒子収量の波長依存性を測定した結果,テトラセン負イオンとペンタセン負イオンの明らかな違いが確認できた.Eth 以下に光学遷移許容な電子励起準位があるペンタセン負イオンはEth 以下に対応する波長領域でもレーザー励起による信号,すなわち中性粒子収量の増加および減衰の数周にわたる減衰(遅延成分) が確認された.対して,未だ実験的に吸収がみつかっていないテトラセン負イオンではEth 付近および以下に対応する波長領域で収量の増加は現れず,直接脱離のみが観測された.また,ペンタセン負イオンにおいて,レーザーを照射するタイミングを6.4 ms から90.9 ms の範囲を10-15 ms 刻みで変えて,蓄積時間依存性も測定した.これをレーザー波長900 nm から1020 nm の範囲で30 nm ごとに行った.短波長では70 ms 付近にピークがあり,どの蓄積時間でも励起できた.しかし,長波長になるにつれて蓄積時間が短い方にピークが寄ってきて,遅いところでは励起できないことが確認でき,内部エネルギー分布の時間変化が観測された.波長をエネルギーに換算すると,900 nm = 1.378 eV と1020 nm = 1.216 eV となり,ピークがおおよそ70 ms から15 ms に移動していることから,0.162 eV に相当する内部エネルギーが50-60 ms で減少していることが明らかになった.さらに,中性粒子収量の減衰から,それぞれの冷却過程を考察した.テトラセン負イオンにおいて,蓄積時間をt とするとイオン入射後の中性粒子収量の減衰が1/t に比例して,power law に従うことから自動電子脱離が起きていることが分かった.一方,ペンタセン負イオンの減衰はテトラセン負イオンよりも速い冷却過程であることが分かった.また,テトラセン負イオンは減衰が落ち着いた後も残留ガスとの衝突による中性粒子の信号がある程度検出されるのに対し,ペンタセン負イオンはほとんど検出されない.したがって,ペンタセン負イオンの衝突電子脱離断面積は小さく,一度負イオンが生成されると壊れにくいということが明らかになった.これはテトラセンよりもペンタセンの電子親和力が大きいことを考えると,妥当な結果である.","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_2_description_5":{"attribute_name":"内容記述","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"首都大学東京, 2019-03-25, 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