@misc{oai:tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp:00007032, author = {マトバ, トウゴ and 的場, 斗吾}, month = {Mar}, note = {痙性をはじめとする神経系疾患の治療やリハビリテーションは,患者の挙動や関節の可動域の評価をもとに行われている.しかし,臨床医療の現場では神経系の働きなどのように直接計測が困難である身体機構を定量的に評価することが望まれている.そこで,ヒトの神経や筋の機構を模擬したシミュレータによって歩行をはじめとする様々な動作を解析する研究が昨今行われている.このようなシミュレータを用いることで健常状態のみならず,運動機能障害や神経系の疾患をシミュレーションでき,運動障害や神経疾患の病態メカニズムの理解が進むことが期待される.しかし,現状の歩行モデルの多くは矢状面内の挙動に着目した2次元モデルが主流で,3次元的な代償動作が発生する痙性歩行を再現するには不十分であると考えた.また,痙性の症状を再現するための比較的末梢の神経機構や筋の力学特性を精密に考慮した歩行モデルは現時点では開発されていない.そこで本研究では,比較的末梢の神経系や筋力学系の障害とそれに基づく歩行を再現分析するため,伸張反射や相反抑制などといった神経系の機能や,筋の力学特性を考慮に入れた3次元神経筋骨格モデルの構築を目的とする.これによって痙性歩行のように3次元的な代償動作が発生する障害歩行のシミュレーションが可能となり,身体特性と歩容の関係性を分析でき,痙性の治療法を定量的に評価できるようになると考えられる.第1章では,本研究の研究背景および研究目的を詳細に述べる.第2章では,本研究で対象とした痙性の生理学的知見について述べる.痙性の症状や発生要因,関連する神経機構,治療法について述べている.第3章では,本研究で用いた神経筋骨格モデルや運動生成の手法の説明である.歩行のリズムを生成するリズム発生機構や,筋紡錘やゴルジ腱器官といった比較的末梢の神経モデル,長さ-張力関係および速度-張力関係といった,筋の力学特性を考慮した筋モデルなどについて詳細に説明している.第4章では,シミュレーション条件に関しての内容である.本モデルの歩行は遺伝的アルゴリズムと呼ばれる最適化手法により神経系のパラメータを最適化しており,遺伝的アルゴリズムの手法やその条件について述べる.第5章では,前述の神経筋骨格モデルを用いて歩行を再現したシミュレーション結果について述べる.健常者の歩行を再現した正常歩行モデルでは,関節角度や関節モーメントの値からモデルの妥当性を検証した.また痙性歩行の再現として,左脚大腿広筋および大腿直筋を対象に,筋の弾性係数相当の変数を増大させた筋拘縮モデルと,伸張反射を亢進させた伸張反射亢進モデルを構築し,正常歩行モデルと同様遺伝的アルゴリズムによる探索計算を実行し,得られた歩容を関節角度,関節モーメント,筋活動量から考察を行っている.シミュレーション結果から,筋拘縮モデル,伸張反射亢進モデルの両方で実際の痙性歩行で見られる骨盤の挙上の代償動作が見られた.加えて,痙性の治療法を再現し,筋拘縮と伸張反射亢進の2つの症状に対して,有効な治療法について歩容の変化から議論を行っている.第6章は結論,今後の展望についてである., 首都大学東京, 2018-03-25, 修士(工学)}, title = {3次元神経筋骨格モデルを用いた痙性歩行の再現と治療の評価}, year = {2018} }