@misc{oai:tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp:00007031, author = {ナカムラ, ヒロアキ and 中村, 博明}, month = {Mar}, note = {変形性膝関節症(knee osteoarthritis; 以下,膝OA)とは,膝関節の軟骨が変性したり,すり減ったりすることによって関節炎や変形を生じて痛みなどが生じる病気である.症状が進行すると階段の昇降や歩行動作が困難になり,患者の生活の質を損なう.そのため,現代の高齢化に伴い,その予防および早期発見が重要とされている.早期発見のための診断としては,現在X線検査やMRI検査が主流であるが,検査に時間や費用が掛かり,機械も大掛かりなものが必要であるという問題がある.そこで現在,これらの問題点の解決策のひとつとして関節から発生する音(以下,関節音)に注目した診断技術が提案されつつある.今日の医療現場では様々な生体音が診断に利用されており,生体音の計測は簡便かつ非侵襲的な計測が可能なため,関節音も関節状態の診断へと利用できれば,膝OAの早期発見のための有効な診断手法となり得る.これまでの先行研究では,マイクロホンや電子聴診器,加速度センサを用いて計測が行われており,健常者と膝OA患者で関節音の特性に違いがあることが確認されている.しかし,計測方法や評価方法が確立されておらず,実用化までには至っていない.そこで本研究では,膝OA診断手法の確立を目標とし,聴診器などの簡便な計測装置を用いて関節音を計測しウェーブレット変換などの信号処理によって分析を行い,関節音から疾患の有無の判別評価を試みた.また,分析によって得られた特徴量の中で,健常者と膝OA患者の間で特に相違が見られるものについて,他の環境で計測したデータ等でも同様の解析を行い,同等の判別ができるか否かの検討を行った.本稿では,その計測方法,分析方法について述べ,開発した診断手法の有用性や,新たな知見について述べる.また,膝関節部の振動伝達特性が健常者と膝OA患者の間で異なる可能性があると考え,関節部の振動伝達特性に基づく評価の検討にも取り組んだ.その結果も付録として述べる.次に本論文の各章の概略を述べる.第一章では,研究背景と研究目的,本論文の構成を示す.第二章では,健常者と膝OA患者を対象に実施した関節音計測手法について述べる.関節音は立ち上がり動作について計測を行った.使用した計測装置や計測方法についても説明する.第三章では,計測した関節音の解析方法について述べる.解析したデータから得た診断指標の診断精度の評価方法についても説明する.第四章では,ウェーブレット変換による関節音周波数分析の結果について述べる.第五章では,関節音とクラッキング音を計測・分析し比較した結果について述べる.第六章では,第四章で述べたウェーブレット変換の結果を用いた分析を行い,それによって得られた四つの膝OAの診断指標について述べる.得られた診断指標と以前の研究の診断指標との精度の比較も行う.第七章では,第六章で得られた診断指標の中で,健常者と膝OA患者の間で特に相違が見られるものについて,他のデータにおいても相違が確認できるか否かの検討結果を示す.第八章では,以上のまとめとして,本研究で得られた結論と今後の課題を示す.付録では,関節部の振動伝達特性に基づく評価の検討結果を示す., 首都大学東京, 2018-03-25, 修士(工学)}, title = {関節音を用いた変形性膝関節症診断手法の高精度化}, year = {2018} }