@misc{oai:tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp:00006228, author = {サイトウ, ユウスケ and 齋藤, 雄介}, month = {Mar}, note = {ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy: BNCT)は、ホウ素同位体^<10>Bを集積させた腫瘍細胞に中性子線を照射し、核反応により発生するα粒子と^7Li粒子を利用する、腫瘍への高い線量集中性と強力な殺細胞効果を特徴とした次世代型の放射線治療法である。高度化の進む昨今の放射線治療の中でも、BNCTは細胞単位の革新的な放射線治療法として多大な期待が寄せられている。しかし、安定した中性子源の開発や、より高い腫瘍集積性を有するホウ素薬剤の開発、適応症例の拡大など、医療としてのBNCTの普及に向けて残された課題は多い。放射線計測の分野においても、中性子線とγ線を簡便且つ高精度に弁別可能な、低コストの放射線測定デバイスの開発が求められている。熱蛍光線量計(Thermoluminescent Dosimeter: TLD)を用いた中性子線・γ線弁別測定法には、中性子吸収断面積の差が大きい二種類のTLDのTL量差を利用する手法がある。しかし、BNCTの線量域に対応したTLDは市販されておらず、実際のBNCTにおいてこの手法は行われていない。そのような背景の中で、本研究では優れたTL特性と幅広い利用可能性を有するAl_20_3:CrセラミックTLスラブに着目し、Al_20_3:CrセラミックTLスラブとBeO TLDを併用したTLの中性子線・γ線弁別解析法について検討を行った。中性子感度が非常に小さくBNCTにおいて積算γ線線量計として用いられているBeO TLDを併用することにより、BNCTにおける中性子束及びγ線量測定を同時に行うことが期待できる。本論文では、この中性子線・γ線弁別解析の手法を報告するとともに、密封中性子源及び加速器中性子源を用いた実測結果について記した。その結果、AL_20_3:CrセラミックTLスラブが中性子に感度を有することを明らかにした。また、AL_20_3:CrセラミックTLスラブのTL量から熱中性子束の試算を行い、金の放射化法より求めた値の3.3倍という結果を得た。この差の原因として、数keVないしは数MeV領域の中性子のTLへの寄与が考えられた。しかし、AL_20_3:CrセラミックTLスラブの示した中性子感度の要因を解明することで、TL量から中性子束を算出することのできる可能性が示された。今後、中性子線・γ線の弁別照射やモンテカルロ計算の結果との比較を行い、本解析法の有用性を明らかにする必要がある。また、前述したようにAL_20_3:CrセラミックTLスラブの中性子感度の要因を解明することも大きな課題であるといえる。本研究が今後のBNCTの発展と普及の一助となることを期し、更なる検討を進めていきたい。, 首都大学東京, 2017-03-25, 修士(放射線学)}, title = {Al_20_3:CrセラミックTLスラブとBeO TLDを併用した熱蛍光の中性子線・γ線弁別解析}, year = {2017} }