@misc{oai:tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp:00004358, author = {タムラ, アイ and 田村, 愛}, month = {Mar}, note = {ストレスにより摂食抑制が生じることはよく知られている。ストレス性の摂食抑制には、視床下部・下垂体・副腎皮質軸(HPA軸)の活性化や視床下部コルチコトロピン放出因子(CRF)ニューロンの賦活が関与していることが示唆されている。HPA軸は神経内分泌系のひとつであり、またCRFニューロンはHPA軸の惹起に加え自律神経系や情動反応を調節しており、いずれも生体における主要なストレス反応系である。これまでいくつかの研究から、運動により摂食抑制が生じることが報告されている。強制運動や高強度の運動ではHPA軸やCRFニューロンの活性化が引き起こされることが知られていることから、ストレス性の摂食抑制が生じていると考えられる。しかし一方で、自発運動では、強制運動でみられるようなストレス反応系の応答はほとんど生じていないにもかかわらず、摂食抑制が生じることが報告されている。このことは、自発運動による摂食抑制のメカニズムは、必ずしもストレス性の摂食抑制とは一致しない可能性を示唆する。そこで本研究では、自発運動による摂食行動への影響がストレス性の摂食抑制と異なるかどうかを明らかにすることを目的とし、自発運動とストレス負荷による摂食行動、ストレス関連行動、および摂食関連脳部位の神経活動の変化について比較検討した。実験には、Wistar系雄ラットを用い、通常飼育群(コントロール群)、自発運動群(ランニングホイールへの自由アクセス)、ストレス群(拘束ストレス: 2時間/日)の3群に分け4週間飼育し、摂食量の経時的変化、ストレス関連行動および摂食関連脳部位の神経活動について比較検討した。ストレス関連行動は高架式十字迷路テスト(不安様行動評価テスト)を用いて評価し、脳内神経活動については免疫組織化学的方法により同定した(実験1)。また、実験1の結果が短期間の飼育条件でもみられるかどうかを確認するために、飼育期間を1週間として同様の実験方法により検討した(実験2)。さらに、CRF受容体阻害薬の脳室内慢性投与が自発運動による摂食行動に影響するかどうかについて行動薬理学的観点から検討した(実験3)。実験の結果、自発運動群、ストレス群ともに飼育開始1週目から摂食抑制がみとめられた(実験1,2)。しかし、ストレス群ではその後も摂食量が抑制されたままであったにもかかわらず、自発運動群では飼育3週目から摂食量は回復する傾向にあった(実験1)。ストレス関連行動については、自発運動群で低下あるいはストレス群で増加する傾向がみとめられた。また神経活動については、ストレス反応および情動反応と関連する摂食関連脳部位(視床下部室傍核、扁桃体)の神経活動に自発運動群とストレス群の間に差がみられた。興味深いことに、末梢の栄養状態を脳に伝える脳部位(視床下部弓状核)にも自発運動群とストレス群に差異がみとめられた(実験1,2)。さらに行動薬理学的実験から、CRF受容体阻害薬の脳室内慢性投与は自発運動による摂食抑制を阻害しなかった(実験3)。これらの結果から、自発運動は、ストレス負荷と同様に摂食抑制を引き起こすが、摂食量の経時的変化、ストレス関連行動、摂食関連脳部位の神経活動はストレス負荷による反応と異なることが示唆された。また、自発運動による摂食抑制にはCRF神経系の関与は少なく、ストレス性の摂食抑制メカニズムを介していない可能性が示唆された。以上のことから、自発運動は一過性に摂食抑制を引き起こすが、その摂食抑制はストレス性のものとは異なるものと考えられる, 首都大学東京, 2014-03-25, 修士(健康科学)}, title = {自発運動が摂食行動に及ぼす影響 : ストレスとの関連性}, year = {2014} }