@misc{oai:tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp:00003637, author = {キム, ソンリョン and Kim, Sungryong and 金, 聖龍}, month = {Mar}, note = {日本の高齢者介護施設には,急速な高齢化に対して,様々な基準が整備・改善され,高齢者施設の水準は向上しつつあると言える.その結果,高齢者は加齢や自立度の変化などによりケアニーズが変化する度に,施設の変更を余儀なくされ,住み慣れた地域から離れた場所に生活拠点が移るなどの負担を強いられることとなる.そうした中で、今までの介護サービスのあり方に対する反省から生まれてきたのが「宅老所」である.大規模施設での一斉処遇の問題や施設では受け入れない認知症高齢者に少しでも安心して過ごしてほしいとする介護経験者や元介護職員・看護職員などによって1980年代半ばから全国各地で始まった取り組みである.宅老所は,全ての高齢者が住み慣れた地域で人間らしく生活するように民家などを活用し,家庭的な雰囲気を提供し,一人ひとりの生活リズムに合わせた柔軟なケアを行っている小規模な多機能を持つ施設である.宅老所が提供するサービスは「通い」だけではなく,利用二一ズに合わせて「泊まり」,「居住」までサービスを提供している.利用者の介護度の上昇や認知症の進行がおきても,居場所を変えることなくなじみの環境の中で連続的なケアができることが大きな利点とされる.このように「地域に密着した小規模で多機能なケア」の実践を積み重ねてきており,高齢者の住み慣れた地域で安定した生活を支援してきた.本研究は,宅老所が実践してきた現行の制度体制に依存しない柔軟なケアサービス・環境に着し,それらの特徴を詳細に把握し,宅老所の社会的意義とその環境構成について考察することを目的とする.具体的な研究の課題を以下に示す.1)宅老所をめぐる近年の動向を明らかにすると共に,先駆的な宅老所の実践概要を把握する.2)宅老所が提供している柔軟なケアサービスについて,長期的な視点からその運営・利用実態を明らかにする.3)宅老所が提供するケア環境について,利用者属性の変化との関係について明らかにする.本研究は,宅老所が制度体制に依存せず,柔軟なケアサービスヘの実践を把握し,宅老所の社会的意義とその環境構成について考察するため,3つのアプローチから分析を進めた.まず,第2章では,宅老所をめぐる近年の動向を明らかにすると共に,先駆的な宅老所の実践概要を把握することで,まず,2つの宅老所に関する全国研究フォーラムに参加し,その内容を整理した.そして,先駆的な宅老所の実践概要を把握するため,施設への訪間調査を行った.それぞれの施設の運営状況やサービスの内容は異なるが・利用者に応じて二一ズに合わせた柔軟なケアサービスを提供しながら,高齢者のそれぞれの居場所として存在していることが分かった.また,第3章では,宅老所が提供している柔軟なケアサービスについて,長期的な視点からその運営・利用実態を明らかにするため,KSを調査対象として施設の開設時から現在までの利用者の記録を分析し,当該施設のサービス利用の構造とその経年変化を明らかにし,利用期間と利用パターンの特性や利用者属性の変化,そして,スタッフの活動期間やスタッフ属性に関する分析を行った.施設空間とサービス環境の経年変化では,施設開設から現在までKSは利用者の重介護度化や社会福祉環境が変わる度に,KSもその施設空間やサービスの提供の内容を変化させながら,施設を改善してきた事が分かった.そして,最後のアプローチとして,第4章で,宅老所が提供するケア環境について,利用者属性の変化との関係について明らかにするため,7年前に行っていた同施設での調査と同様に調査し,KSにおける施設概要,施設の平面上の空間,利用者属性,利用者の生活展開の項目から7年経過前後を比較・分析した.その結果をみると,施設概要の7年経過前後の比較分析で,デイKSの開所日が月曜日から土曜日になり,利用者の日曜目の生活場面に変化が見られた.その結果,宅老所KSに居住している利用者は,日曜日には終日宅老所KSで生活していることになった.そして,第5章に総括として,本研究の到達点と宅老所に対する社会的意義,宅老所をめぐる環境の構成について考察した.本研究を通して明らかとなったことを以下に示す.1)宅老所にめぐる近年の動向 2)先駆的な宅老所の実践概要が把握された.3)宅老所が提供している柔軟なケアサービスの実証ができた.4)宅老所が提供するケア環境と利用者属性の変化との関係について明らかとなった., 首都大学東京, 2013-03-25, 修士(工学)}, title = {宅老所の施設運営・利用実態に関する研究 : KSにおける経年分析}, year = {2013} }