@phdthesis{oai:tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp:00002024, author = {神崎, 清志}, month = {Mar}, note = {本論文は、オフィスなどの収益物件である商業用不動産を対象とした、評価方法ならびにリスク管理方法についての研究論文である。第1部は、商業用不動産の評価についての研究である。不動産の評価では、不動産鑑定評価が制度的に定められており、世界的に広く利用されている。しかし、この鑑定評価には評価額が市場価格から乖離するという「不動産鑑定評価バイアス」の問題が指摘されている。このような状況を踏まえ、不動産の市場価格を正確に推定するモデル「キャップレートモデル」が提案されている。このモデルでは、不動産評価法の直接還元法を用い、市場取引のデータから将来のキャッシュフローの還元率であるキャップレートを物件の属性および取引時点で回帰分析し、キャップレートの市場値を推定する。このモデルを日本の不動産投資信託(J-REIT)のデータに適用し、実証分析を行った。その結果、キャップレートは各属性に対し定性的に期待された傾向を示し、モデルが有効に働いていることが示された。さらに、得られた推定キャップレートにより物件の売買価格を推定すると、ヘドニック法といった一般的な手法より、精度が良いことが実証分析により示された。これにより、今まで難しかった市場価格の推定を、キャップレートの推定を通して行う体系が示された。加えて、実際に支払われている賃料、純営業収益(NOI)や純利益(NCF)といった各種キャッシュフローの分析により、属性ごとの感応度特性や時間変動といった特徴を把握することが可能となる体系が示された。これにより、キャップレートモデルとあわせてキャッシュフローの推定モデルも整備され、より精緻な評価モデルの構築が可能となった。第2部は、商業用不動産のリスク管理についての研究である。不動産のリスク管理は、市場特性が特異であるため、他の金融資産では一般的な手法が適用できない。そのため、不動産のリスク管理手法ではスタンダードなモデルというものが存在していない。本論文では、不動産市場の変動特性を分析し、その特徴を捉えたリスク管理モデルの提案が行われている。まず、不動産市場の変動特性として、強いトレンド性と周期性があることが示された。さらに、評価に用いられるキャッシュフローとキャップレートという2つのパラメータのうち、より価格変動に影響を与えるパラメータは、キャップレートであることが定量的に示された。これらの分析により、市場の変動特性と変動を与えるパラメータが明らかとなった。この結果を踏まえ、本論文ではキャップレートに周期的な変動を与えるモデル「ダイナミック・キャップレートモデル」が提案された。従来では、資産価格の変動に拡散過程を適用した例があったが、本来の変動特性を表現していないため、現実的なリスク量が算出できなかった。ダイナミック・キャップレートモデルを用いると、実際の資産価格変動により近い資産価格変動をシミュレーション上で再現することが可能になり、保有するリスク量を正確に計測することが可能になる。, 首都大学東京, 2014-03-25, 博士(経営学), 甲第394号}, school = {首都大学東京}, title = {商業用不動産の定量的評価手法およびリスク管理手法の研究}, year = {2014}, yomi = {カンザキ, キヨシ} }